アパート・マンション名称、頻出単語辞典
アパートやマンションの名称は、その建築時の所有者(賃貸なら大家さん、分譲ならデベロッパー)が自由に決められます。
もっとも地名等については2006年に改訂された『不動産の表示に関する公正競争規約(第19条)』による制限があり、【浦安市に建てたネズミの国の名前に『東京』の単語を使用する】ことは今はもうできないようですが……
逆に地名でないのなら、どんな単語でも自由に使うことができます。
そこで各物件に工夫を凝らした名称が付けられる──わりに、同じような名前のアパート・マンションをあちこちで見かける──ことになるわけです。
なお現在、この『名称』を寡占する一大勢力となっているのが外来語。英語やドイツ語、フランス語などが『横文字カタカナ』あるいはそのまま『アルファベット』でつけられています。
そこでこの頁では、それら『アパート・マンション名称に頻出する単語』の意味を調べてみました。
物件探しに疲れたときの気分転換にでもご照覧ください(なお前日の通り、物件名称は自由につけられます。よって『使われている単語の意味』も、物件の性質を一切保証するものではありません)。
あ行
ヴィラ
[villa]
ラテン語で『山荘』『別荘』
エトワール
[Étoile]
フランス語で『星』
……原語発音だと「エトワル」の方が近いそうです。
「エトワール」だけで建物名になる場合もあれば、地域名と組み合わせて「エトワール○○」などと使われることも多いです。
【大家さんの名前】
頻出単語ではありませんが──賃貸物件では大家さんの御名前が物件名に使用されていることが多々あります。
また大家さんの御名前そのままではなく、【強引に外国語へ訳した単語】が使用される場合も。そういうケースでは不動産業者側でもうっかり見落としていて、何かの拍子に「あぁ、この名前ってそういう由来だったんだ!」とひざを打つこともよくあります。
オーベルジュ
[Auberge]
フランス語で『旅館(宿泊施設を備えたレストラン)』
……「ー」を省いた「オベルジュ」が使われることも。
か行
カーサ
[casa]
イタリア語で『家』、『住宅』
コート
[court]
英語で『宮廷』、『裁判所』
コーポ
英語[cooperative house]に由来する和製英語。
元となった語は『共同住宅』の意。
コンフォート
[comfort]
英語で『安心感』、『快適さ』
さ行
シャトー
[chateau]
フランス語で『城』
……あるいは『ボルドー地方の格付けされたブドウ園』
ジュネス
[jeunesse]
フランス語で『若者』、『青春』
セゾン
[saison]
フランス語で『季節』
なお、英語の[season]⇒『シーズン』もこれが原語だそうですが、物件名称で『シーズン』という語はあまり見かけません。
荘
日本語。
ちょっと古めの、家賃もお手ごろな建物に多く使われている印象。
また最新物件でも、雰囲気を売りにしている建物があえて使っている場合もあります。
ソレイユ
[soleil]
フランス語で『太陽』
た行
ド
[de]
フランス語の接続詞
……英語の「of」、日本語の「の」に相当。
「メゾン・ド・○○」なら『○○の家』の意味となる。
ドミール
[domicile]
フランス語で『住宅』
単体で使われる場合と、「ドミール+地名」など組み合わせて使用される場合があります。
は行
ハイツ
[heights]
英語で『高台』、『高地』
……「ハイツ」の名が付いている物件は、見晴らしが期待できるかもしれません。
ハイム
[heim]
ドイツ語で『家庭』『家屋』
ハウス
[house]
英語で『家』。
「○○ハウス」あるいは「ハウス××」
……後者のほうが、若干小洒落ているように聞こえます。
パル
[pal]
英語で『友人』『仲間』。
……入居者同士が仲良くお過ごしいただけますように、というオーナー様の願いを込めて。
パレス
[palace]
英語で『宮殿』
フローレンス
[Florence]
イタリア中部の都市、【フィレンツェ】の英語表記。
あるいは英語の個人名(ラテン語のフロレンティア[Florentia]あるいはフロレンティウス[Florentius])を英語化したもの。
とはいえこの名が付いている物件のオーナー様が「フローレンスさん」だったりフィレンツェ出身だったりする可能性はそこまで高くないと思われます。
プランドール
[prendre]
フランス語。
英語の【to take】に該当し、文脈によって『取る』『食べる』『飲む』『乗る』など様々な意味を持つ。
他所のマンション・アパート用語辞典だと『成功する』『始める』を意味するらしいのだが──実際のフランス語としてはあまり一般的な用法ではないように思える。
プルミエール
[premiere]
フランス語で『最初の』
『プルミール』としている場合もある。
プレミール
[premiere]
フランス語で『最初の』
『プルミエール』としている場合もある(原語発音だとこちらの方が正しいっぽい?)。
ホープ
[hope]
英語で『希望』
ま行
メゾン
[maison]
フランス語で『家』、『建物』
「メゾン○○」と後ろに地名などを付けて使われることが多い。
なお漫画『めぞん一刻』の舞台である木造アパートは──正式名称は「一刻館」である。
ら行
ラグゼナ
タカラレーベングループが供給しているマンションブランドで、アルファベット表記では「LUXENA」
……そのままの語があるわけではなく、
LUXURY(ラグジュアリー):贅沢,豪華
と
ENABLE(イネーブル):可能にする,できるようにする
をつなげた造語のようです。
リヴェール
[riviere]
フランス語で『川』
ルミエール
[lumière]
フランス語で『光』
レジデンス
[residence]
英語で『住居』、『邸宅』
特に大きく立派な建物を指すことが多く、日本でも高級マンションの名前として人気を博している。